登録船舶管理事業者規程

登録船舶管理事業者規程

以下に,平成30年3月20日に告示された登録船舶管理事業者規程を原文のまま掲載します。


国土交通省告示 第四百六十六号

登録船舶管理事業者規程を次のように定める。

平成三十年三月二十日

国土交通大臣 石井啓一

登録船舶管理事業者規程

( 目的)

第一条  この規程は、登録船舶管理事業者に関し必要な事項を定めることにより、その業務の適正な運営を確保し、もって内航海運業の健全な発達に資することを目的とする。

( 定義)

第二条  この規程において「船舶管理」とは、次のいずれかに該当する管理をいう。

一 船舶の堪航性を保持するための保守に係る管理( 以下「船舶保守管理」という。)

二 船員の配乗及び雇用に係る管理( 以下「船員配乗・雇用管理」という。)

三 船舶の運航の実施に係る管理( 以下「船舶運航実施管理」という。)

2 この規程において「船舶管理業」とは、船舶管理を業として行うものをいう。

3 この規程において「登録船舶管理事業者」とは、次条第一項の登録を受けて船舶管理業を営む者をいう。

4 この規程において「第一種登録船舶管理事業者」とは、第一項各号に掲げる全ての管理を行う登録船舶管理事業者をいう。

5 この規程において「第二種登録船舶管理事業者」とは、船舶保守管理( 船員に対する指揮命令を行うものを除く。) のみを行う登録船舶管理事業者をいう。

6 この規程において「船舶管理責任者」とは、登録船舶管理事業者が行う船舶管理業について、全部又は一部の権限及び責務を有する者をいう。

7 この規程において「船舶管理統括責任者」とは、複数の船舶管理責任者を統括するものをいう。

8 この規程において「事業所」とは、登録船舶管理事業者が陸上において船舶管理を営むために設置及び運営する施設をいう。

( 登録)
第三条 船舶管理業を営もうとする者は、この規程の定めるところにより、国土交通省に備える登録船舶管理事業者登録簿に登録を受けることができる。

2 前項の登録の有効期間は、当該登録の日から起算して三年とする。

3 前項に規定する登録の有効期間( 当該登録の有効期間についてこの項の規定により更新を受けたときにあっては、当該更新を受けた登録の有効期間) の満了後引き続き当該登録に係る船舶管理業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。

4 第三項の規定によりその更新を受けた場合における登録の有効期間は、当該更新前の登録の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年とする。

5 次条及び第六条の規定は、第三項に規定する登録の有効期間の更新について準用する。

( 登録の申請)

第四条 前条第一項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出するものとする。

一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

二 事業所の名称及び位置

三 内航海運業法( 昭和二十七年法律第百五十一号) 第三条第一項の登録を受けている場合は、同法第五条第一項第二号の登録番号

四 他に事業を行っているときは、その事業の種類

五 管理する船舶の名称、船種、総トン数、長さ、船舶所有者( 船舶が共有されている場合にあっては、船舶管理人) の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

六 前号の船舶に係る船舶管理の範囲

七 次に掲げる事項を記載した船舶の管理に係る規程( 以下「船舶管理規程」という。)

イ 当該船舶管理の実施の方針に関する事項

ロ 当該船舶管理の実施並びに管理の体制及び方法に関する事項

ハ 船舶管理責任者及び船舶管理統括責任者の選任及び解任に関する事項

八 船舶管理責任者及び船舶管理統括責任者の氏名及び役職

九 船体、機関及び設備に関する船舶保守管理に係る計画

十 第一種登録船舶管理事業者の場合は、船員が船内で行う作業に係る危険の防止及び船内衛生の保持を図るための安全衛生基準

十一 第一種登録船舶管理事業者の場合は、運航を中止すべき気象及び海象の条件並びに発航中止の指示に関する事項について定めた運航実施基準

十二 船舶安全法施行規則( 昭和三十八年運輸省令第四十一号) 第十二条の二第三項の適合書類又は安全管理証書の有無

十三 船舶安全管理認定書等交付規則( 平成十二年運輸省告示第二百七十四号) 第三条第三項に規定する船舶安全管理認定書又は適合認定書の有無

2 前項の申請書には、次に掲げる書類( 以下「添付書類」という。) を添付するものとする。

一 第六条第一項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面

二 個人である場合においては、その者に係る運転免許証、旅券その他の本人確認に利用することができる書類の写し

三 法人である場合においては、その役員に係る運転免許証、旅券その他の本人確認に利用することができる書類の写し及び登記事項証明書

四 事業所を使用する権原に関する書面

五 直前の事業年度の業務及び財産の状況に関する書面

六 前項第十二号の適合書類又は安全管理証書がある場合には、その写し

七 前項第十三号の船舶安全管理認定書又は適合認定書がある場合には、その写し

( 登録の実施)

第五条 国土交通大臣は、前条の登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録をしない場合を除くほか、遅滞なく、次に掲げる事項を登録船舶管理事業者登録簿に記載して、その登録をするものとする。

一 前条第一項第一号、第二号、第五号及び第六号に掲げる事項

二 登録年月日及び登録番号

2 国土交通大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知するものとする。

( 登録をしない場合)

第六条 国土交通大臣は、第三条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録をしないこととする。

一 内航海運業法その他関連法令に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から一年を経過しない者

二 第十三条第四号又は第六号から第八号までの規定により登録を抹消され、その抹消の日から一年を経過しない者

三 申請前一年以内に船舶管理業に関し不正な行為をした者

四 法人でその役員のうちに前三号のいずれかに該当する者

五 船舶管理業務の適正な運営を確保するための必要な体制が整備されていると認められない者

2 国土交通大臣は、前項の規定による登録をしないこととしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知するものとする。

(標識の掲示)
第七条 登録船舶管理事業者は、事業所ごとに、公衆の見やすい場所に、標識を掲げるものとする。

2 第三条第一項の登録を受けていない者は、前項の標識又はこれに類する標識を掲げてはならない。

( 遵守事項)

第八条 登録船舶管理事業者は、船舶管理業を行うに当たっては、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

一 船舶管理規程の継続的な見直しを行うこと。

二 労働安全衛生法( 昭和四十七年法律第五十七号) の遵守のための留意事項の周知徹底を行うこと。

三 緊急事態に対処するための措置に関する要領を策定し、必要な訓練を実施すること。

四 事故に関する解析を行うこと。

五 船舶管理責任者を通じて、定期的に内部監査を実施すること。

六 船舶管理責任者を通じて、管理する船舶毎に船員の職務及び役職並びに責任の明確化を図ること。

七 船舶管理責任者を通じて、陸上要員( 事業所において船舶管理に従事する者をいう。) を含む船員の雇用、教育及び配置を適正に行うこと。

八 第一種登録船舶管理事業者にあっては、安全管理及び運航管理に係る業務について、内航海運業者との連携の確保に努めること。

九 第一種登録船舶管理事業者にあっては、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律( 昭和四十五年法律第百三十六号) の遵守のための留意事項の周知徹底を図ること。

十 第一種登録船舶管理事業者にあっては、荷役作業の手順及び安全確保に関する要領を策定し、船員に周知を行うこと。

(業務及び財産の分別管理等の状況の報告)
第九条 登録船舶管理事業者は、毎事業年度の終了後三月以内に、その業務及び財産の分別管理等の状況を国土交通大臣に報告するものとする。

(変更の届出)
第十条 登録船舶管理事業者は、第四条第一項各号に掲げる事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出るものとする。

2 国土交通大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を登録船舶管理事業者登録簿に登録するものとする。

(廃業等の届出)
第十一条 登録船舶管理事業者が次の各号に掲げる場合に該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日( 第一号の場合にあっては、その事実を知った日) から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出るものとする。

一 登録船舶管理事業者である個人が死亡した場合相続人

二 登録船舶管理事業者である法人が合併により消滅した場合その法人を代表する役員であった者

三 破産手続開始の決定を受けた場合破産管財人

四 登録船舶管理事業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合清算人

( 業務改善に関する勧告等)

第十二条 国土交通大臣は、登録船舶管理事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該登録船舶管理事業者に対し、その業務の適正な運営を確保するため必要な指導、助言及び勧告をすることができる。

一 この規程に違反したとき。

二 業務に関し内航海運業者に損害を与えたとき、又は損害を与えるおそれが大であるとき。

三 業務に関し公正を害する行為をしたとき、又は公正を害するおそれが大であるとき。

四 業務に関し他の法令に違反し、登録船舶管理事業者として不適当であると認められるとき。

五 前各号に掲げる場合のほか、業務に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。

2 国土交通大臣は、船舶管理業の適正な運営を確保するために必要な限度において、登録船舶管理事業者に対し、その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

3 国土交通大臣は、第一項の規定による指導、助言又は勧告をした場合には、その旨を公表することができる。

( 登録の抹消等)

第十三条 国土交通大臣は、登録船舶管理事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条第一項の登録を抹消するものとする。

一 第十一条の規定による届出があったとき。

二 前号の届出がなくて第十一条各号のいずれかに該当する事実が判明したとき。

三 登録の有効期間満了の際、登録の更新の申請がなかったとき。

四 不正の手段により登録を受けたことが判明したとき。

五 第六条第一項各号のいずれかに該当するに至ったとき。

六 正当な理由がなくて第九条の規定による報告又は第十条第一項の規定による届出を怠ったとき。

七 第九条の規定による報告に記載すべき重要な事項について虚偽の記載があることが判明したとき。

八 前条第一項各号のいずれかに該当し情状が特に重いとき、又は同項の規定による勧告に従わなかったとき。

九 登録船舶管理事業者から、登録の抹消の申請があった場合において、その申請を相当と認めるとき。

2 第六条第二項の規定は、前項の規定により登録を抹消した場合について準用する。

( 所在不明者等の登録の抹消)

第十四条 国土交通大臣は、その登録を受けた登録船舶管理事業者の事業所の所在地又は当該登録船舶管理事業者の所在( 法人である場合においては、その役員の所在) を確知できない場合において、その事実を公表し、その公表の日から三十日を経過しても当該登録船舶管理事業者から申出がないときは、当該登録船舶管理事業者の登録を抹消することができる。

( 登録の抹消の公表)

第十五条 国土交通大臣は、登録船舶管理事業者が第十三条第一項第四号から第八号までの各号のいずれかに該当したことにより、その登録を抹消したときは、その旨を公表するものとする。

( 登録簿等の閲覧)

第十六条 国土交通大臣は、第五条の登録船舶管理事業者登録簿並びに第九条及び次条第二項の報告に係る書面又はこれらの写しを一般の閲覧に供するものとする。

(評価)

第十七条 登録船舶管理事業者は、その行う船舶管理に係る業務の質について、登録の有効期間の満了する日の三月前の日から当該満了する日の前日までの間に、自ら評価を行うとともに、第三者による評価を受けなければならない。

2 前項の評価の結果は、第三条第三項の登録の更新時に、国土交通大臣に報告することとする。

( 業務の再委託)

第十八条 第一種登録船舶管理事業者は、船舶保守管理( 船員に対する指揮命令を行うものを除く。) について、他の者に再委託することができる。この場合において、当該登録船舶管理事業者は再委託をした船舶保守管理に関する監督を行い、再委託を受けた者が、この規程の定めるところによりその業務を行うよう努めなければならない。

(権限の委任)
第十九条 この規程に規定する国土交通大臣の権限は、登録船舶管理事業者又は第三条第一項の登録を受けようとする者の本店又は主たる事業所の所在地を管轄する地方運輸局長( 運輸監理部長を含む。次項において同じ。) に委任することができる。

2 第十二条に規定する国土交通大臣の権限で登録船舶管理事業者の支店又は従たる事業所に関するものについては、前項に規定する地方運輸局長のほか、当該支店又は従たる事業所の所在地を管轄する地方運輸局長も当該権限を行うことができる。

附則

この告示は、平成三十年四月一日から施行する。

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