首相官邸 総合海洋制作本部,海洋基本計画,2013年4月
目次
総論 …………………………………………………………… 1
1 海洋立国日本の目指すべき姿 ……………………………. 1
(国際協調と国際社会への貢献) ………………………….. 1
(海洋の開発・利用による富と繁栄) ……………………… 1
(「海に守られた国」から「海を守る国」へ) ……………. 2
(未踏のフロンティアへの挑戦) ……………………………. 2
2 海洋基本計画策定の意義 …………………………………… 2
第1部 海洋に関する施策についての基本的な方針 ………….. 4
1 海洋政策をめぐる現状と課題 ……………………………….. 4
(1)海洋基本計画の実施状況 ………………………………… 4
(2)海洋をめぐる社会情勢等の変化 …………………………. 5
2 本計画において重点的に推進すべき取組 …………………… 6
(1)海洋産業の振興と創出 …………………………………… 6
(2)海洋の安全の確保 ………………………………………… 7
(3)海洋調査の推進、海洋情報の一元化と公開 …………….. 7
(4)人材の育成と技術力の強化 ………………………………. 7
(5)海域の総合的管理と計画策定 …………………………….. 7
(6)その他重点的に推進すべき取組 ………………………….. 7
3 本計画における施策の方向性 …………………………………. 8
(1)海洋の開発及び利用と海洋環境の保全との調和 ……….. 8
(2)海洋の安全の確保 ………………………………………… 9
(3)科学的知見の充実 ……………………………………….. 10
(4)海洋産業の健全な発展 ……………………………………. 10
(5)海洋の総合的管理 ……………………………………….. 11
(6)海洋に関する国際的協調 ………………………………….. 12
(7)海洋教育の充実及び海洋に関する理解の増進 …………… 12
第2部 海洋に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策 …. 14
1 海洋資源の開発及び利用の推進 ……………………………….. 14
(1)海洋エネルギー・鉱物資源の開発の推進 ……………………… 14
(2)海洋再生可能エネルギーの利用促進 …………………………. 15
(3)水産資源の開発及び利用 ………………………………….. 18
2 海洋環境の保全等 ………………………………………….. 19
(1)生物多様性の確保等のための取組 …………………………… 19
(2)環境負荷の低減のための取組 ………………………………. 20
3 排他的経済水域等の開発等の推進 ……………………………… 22
(1)排他的経済水域等の確保・保全等 …………………………… 22
(2)排他的経済水域等の有効な利用等の推進 ……………………… 23
(3)排他的経済水域等の開発等を推進するための基盤・環境整備 ……… 23
4 海上輸送の確保 ……………………………………………. 23
(1)安定的な海上輸送体制の確保 ………………………………. 23
(2)船員の確保・育成 ……………………………………….. 24
(3)海上輸送拠点の整備 ……………………………………… 24
5 海洋の安全の確保 ………………………………………….. 25
(1)海洋の安全保障や治安の確保 ………………………………. 25
(2)海上交通における安全対策 ………………………………… 27
(3)海洋由来の自然災害への対策 ………………………………. 28
6 海洋調査の推進 ……………………………………………. 29
(1)総合的な海洋調査の推進 ………………………………….. 29
(2)海洋に関する情報の一元的管理及び公開 …………………… 31
7 海洋科学技術に関する研究開発の推進等 ………………………. 31
(1)国として取り組むべき重要課題に対する研究開発の推進 …. 31
(2)基礎研究及び中長期的視点に立った研究開発の推進 ……… 33
(3)海洋科学技術の共通基盤の充実及び強化 …………………. 33
(4)宇宙を活用した施策の推進 ………………………………… 34
8 海洋産業の振興及び国際競争力の強化 …………………… 35
(1)経営基盤の強化 ………………………………………… 35
(2)新たな海洋産業の創出 ………………………………… 37
9 沿岸域の総合的管理 ……………………………………….. 39
(1)沿岸域の総合的管理の推進 ……………………………. 39
(2)陸域と一体的に行う沿岸域管理 ………………………. 40
(3)閉鎖性海域での沿岸域管理の推進 ……………………. 41
(4)沿岸域における利用調整 ……………………………… 42
10 離島の保全等 ……………………………………………. 43
(1)離島の保全・管理 ……………………………………… 43
(2)離島の振興 …………………………………………….. 44
11 国際的な連携の確保及び国際協力の推進 …………………. 45
(1)海洋の秩序形成・発展 ……………………………………. 45
(2)海洋に関する国際的連携 …………………………………. 46
(3)海洋に関する国際協力 ……………………………………. 47
12 海洋に関する国民の理解の増進と人材育成 ………………. 48
(1)海洋に関する教育の推進 …………………………………. 48
(2)海洋立国を支える人材の育成と確保 …………………….. 48
(3)海洋に関する国民の理解の増進 ………………………….. 49
第3部 海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 …. 51
1 施策を効果的に推進するための総合海洋政策本部の見直し .. 51
(1)参与会議の検討体制の充実 ………………………………. 51
(2)事務局機能の充実 ……………………………………….. 51
2 関係者の責務及び相互の連携 ……………………………….. 52
3 施策に関する情報の積極的な公表 ………………………….. 52
以下、会員専用
第2部 海洋に関する施策に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策
4 海上輸送の確保 ……………………………………………. 23
(1)安定的な海上輸送体制の確保 ………………………………. 23
○日本商船隊の国際競争力の確保及び安定的な国際海上輸送の確保を図るため、日本籍船及び日本人船員の計画的増加に取り組む我が国の外航海運事業者に対し、
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トン数標準税制の適用等を実施し、日本船舶と日本船舶を補完する準日本船舶合わせて450隻体制の早期確立を図るとともに、日本人外航船員の数を平成20年度から10年間で1.5倍に増加させるための取組を引き続き促す。
○公平な条件下で競争を行う環境整備として、交渉参加国が高いレベルの自由化約束を行うことを目指し、世界貿易機関(WTO)や経済連携協定(EPA)等における海運サービス分野の交渉に取り組む。
○近年注目されている北極海航路の活用の可能性について、関係国との協議等を進めるとともに、海運事業者や荷主等と連携し、航路が開く可能性、技術的課題、経済的課題等を検討する。
○内航海運の安定的な輸送を確保するため、国際的な慣行となっているカボタージュ制度を維持するとともに、老齢船の代替建造、船舶管理会社を活用したグループ化を促進する。
(2)船員の確保・育成 ……………………………………….. 24
○外航・内航海運のニーズに応じた即戦力・実践力を備えた船員を養成するため①海運事業者が運航する船舶の活用による、より実践的な乗船訓練を可能とする社船実習の拡大及び内航海運への導入、②内航船の運航実態に即した実践的な乗船訓練を可能とする内航用練習船の導入を進めるなど、船員教育の更なる質の向上に取り組む。
○高齢化の進展等に伴う内航船員の不足に対応するため、就業体験を実施するなど、国と内航海運事業者等の関係者とが連携して若年者の志望を増加させるための取組を推進する。また、計画的に新人船員の確保・育成に取り組む事業者を支援する。
○船員教育の環境を改善するため、現役船員による実践的な講義の実施や人事交流を通じた現場の知識・経験を教育に取り込むなど、船員の確保・育成に関わる国、船員教育機関及び海運事業者等関係者間での連携を強化する。
5 海洋の安全の確保
(2)海上交通における安全対策 27~28ページ
ア 船舶の安全性の向上及び船舶航行の安全確保
○船舶海難等の発生を未然に防止し、海運業における輸送の安全を確保するため、海運事業者の経営トップから現場まで一貫した安全管理体制の構築を目指す運輸安全マネジメント制度を促進するとともに、従来からの監査業務や安全評価手法の開発等も併せて実施する。
○国際機関での協議を通じ、船舶の設計、建造、運航、解体に関わる各種の基準の策定と不断の見直しを行うとともに、検査の確実な実施、外国船舶の監督(PSC)や、海上安全の啓発等に取り組む。
○安全かつ安定的な海上輸送を確保するため、我が国の国際・国内海上輸送ネットワークの根幹を形成している開発保全航路について、国が一体的に開発、保全及び管理に取り組む。
○船舶交通の安全と運航効率の向上を図るため、航行船舶の指標となる航路標識について、視認性、識別性を向上する等の高度化に取り組むとともに、整備等を推進する。
○電子海図・航海用刊行物を活用した船舶交通の安全性を向上するため、国際水路機関(IHO)における国際基準策定に積極的に参画し、利便性の高い航海安全情報の提供方法を検討するとともに、電子海図の情報充実と高機能化に取り組む。
○海況に関する情報を海洋速報により提供するほか、狭水道における潮流の観測体制及び情報提供体制を強化する。
○社会的影響が著しい大規模海難の発生を防止するため、海上交通センター等による航行船舶の安全に必要な情報提供、船舶に対する指導等を行う。また、これらを適切かつ効果的に実施するため、同センターの機能充実を図る。○民間団体・関係行政機関と緊密に連携し、海難防止思想の普及・海難防止に関する知識の向上等を図るとともに、あらゆる機会を通じて法令順守・安全運航の徹底を指導するなど、海難防止対策を推進する。
イ 海難救助体制及び事故災害対策の強化等
○海難救助等に迅速かつ的確に対応するため、巡視船艇・航空機の高性能化、装備・資機材、訓練・研修の充実による救助・救急能力の強化、漂流予測の精度の向上等に取り組み、海難救助体制の充実・強化を図る。また、民間救助組織との連携を図るとともに、近隣国の捜索救助機関との協議・訓練を定期的に実施し、連携を強化する。
○船舶火災や船舶に起因する海洋汚染、海上災害の被害を局限化するため、排出油防除体制及びその他防災体制の向上に努めるとともに、対応資機材の整備、合同訓練を実施する。
○効果的な排出油防除措置のため、沿岸海域の環境情報を示した脆弱沿岸海域図の整備、衛星画像を活用したモニタリングの整備、沿岸海域環境保全情報のインターネットによる提供(CeisNet)、関係機関との連携強化等を推進する。
○重大な海難事故が発生した場合、発生原因やメカニズムの究明のための調査・分析を行い、安全基準や運航管理体制の改善等、再発防止のための対策の立案を進める。