facebookを使った情報発信と積極的な訪船活動で安全管理を目指す(株式会社 雄和海運)

おはようございます。

今回は、当協会の正会員で現在理事を務めている浦山秀大氏の活動をご紹介します。

浦山理事は、熊本県で株式会社雄和海運という会社を経営されています。

雄和海運のホームページには、「熊本天草を舞台に全世界へ海を通じて「信頼と安心」を運びます!」と書かれており、シンプルで分かり易いレイアウトとなっています。

私が、注目する浦山氏の活動は、facebookで、船舶運航に関連する情報を発信し、積極的な訪船活動とその内容をホームページに掲載している点です。

その情報を見ていますと船員に対する気遣いを感じます。

かつて、私が外航船の船舶管理をしていた時、とある船を管理していたのですが、1度も会ったことのない機関長とのメールのやり取りは、まったく信頼関係が築けていないことから、意思疎通に苦労したことを思い出します。

ささいなことでもメールだけでは誤解を生んだり、相手の意図するものが感じ取れなかったり、伝えたいことも伝わらず苦労しました。

その後、訪船を行い、様々な誤解も解け、訪船後のメールのやり取りでは、うまくコミュニケーションが取れるようになりました。

残念ながら外航船のため、頻繁に訪船活動を行えませんでしたが、訪船活動を行う中で船員とのコミュニケーションもとれるようになり、管理もスムーズに行えるようになりました。

そういえば、以前、海運(2010年5月号)に掲載された「内航座談会」の内容の中で、三洋海運株式会社 代表取締役 三木 孝幸氏もこう述べられていました。

「私は船をずっと見てきまして、あまり事故を起こさない船には共通点があると思っています。一つは、乗組員の人たちが家族意識を持ち、コミュニケーションがいい船です。乗組員がよそよそしくて、そっぽを向いているような船はどこかで事故を起こします。二つには船に対する愛着を乗組員の人たちが持っていない船は駄目です。三つには船主さんが頻繁に船に行って、みんなに声をかけて、コミュニケーションが取れている船は、事故率が本当に低いんです。こうした船主さんは、われわれにとって非常にありがたい船主さんです。私はそれに気が付いてから、頻繁に社船を全船ぐるぐる回っています。」

私も短い船員人生ですが、わかります。雰囲気悪い船って分かりますよね。ベテランの配乗の方などは、船に上がった瞬間にその船の雰囲気が分かるそうです。

そのようなことを考慮すると、訪船活動は、コミュ二ケーションだけでなく、船内の雰囲気を知る大切な活動なのではないかと考えられます。

文責:事務局担当理事 畑本(現在乗船中)

参考サイト

株式会社 雄和海運ホームページ

株式会社 雄和海運のfacebook

参考文献

三木孝幸,小比加恒久,蛯名邦晴,藏本由紀夫:『内航座談会 内航海運経営と船舶管理の展望 改革の決め手は何か?–厳しさ増す内航の経営環境』,海運 (992), 日本海運集会所,pp.12-19,2010-05

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