間違ったダブルチェック

おはようございます。

太平洋側では、台風が連続して日本に近づいております。付近を航行する船舶は、早めに非難をしてください。

さて、本日は、ヒューマンエラーに関して海運の7月号に掲載されておりました記事から。

ヒューマンエラーを防ぐためにダブルチェックと、よく言いますが、ダブルチェックをする際、皆さんは、どのようにしていらっしゃいますでしょうか?

中田亨氏(参考文献1)の考えによれば、ダブルチェックは、2回もしくは2人で確認するという意味ではないとのことです。

その理由として、人数を増やすことは責任が分散するためかえって良くない場合が多く、正しくは”1人の確認を完全にするために誰かが補助に回る”というのが本当のダブルチェックになるとのことです。

たとえば、A丸の一等航海士が、代理店から●●書という書類を受け取ったとし、二等航海士に「●●書を受け取ったよ」と言います。

さて、二等航海士は何と答えるでしょうか?しっかりと中身を見て、それが正しい書類であるか確認してくれれば良いですが、書類を受け取っている事だけ見て、「了解しました」とついつい言ってしまいませでしょうか。

その書類が他の船の書類だったとしたら、二等航海士に受け取ったことを見せたとしても何の意味もありません。

このようなことから、中田氏はその書類に書かれている内容をクイズ形式で聞くことを提案しています。

そうですね、たとえば、その書類を受け取った時に、「●●書を受け取ったけど船名と日付を教えてとか」その書類に書かれている内容を答えとした形で聞くということです。

中田氏は、2人に明確な役割分担ができてこそ、ダブルチェックであるといいます。

確かに、実際の現場でも思い当たることがありませんか?何人も見ているはずなのに、見落としていることが。

同じ方向、同じ方法ではなく、違った方向からチェックを行うこと、これが本当の意味のダブルチェックではないかということです。

クイズ形式のダブルチェック、クイズを考えることもチェックとなると考えられますので、是非、お勧めします。

文責:事務局 畑本

参考文献1

中田 亨:”クイズ型”の健全なコミュニケーションがミスを防ぐ,海運,一般財団法人 日本海運集会所,pp.76-79,2016.7.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加